ひとり暮らしが初めての方必見!知っておきたい賃貸のルール・マナー

ひとり暮らし

「ひとり暮らしは自由で楽しいけど、困ったことやトラブルが起きたら自分だけで解決できるかな?」

「退去の時には、お金を払わないといけないの?」

初めてのひとり暮らしでは、わからないこと、不安に思うことがたくさんありますよね。

賃貸不動産経営管理士、賃貸住宅メンテナンス主任者の資格をもった大家の私が、生活のトラブルを避け、退去費用も節約できるルールとマナーをわかりやすく解説していきます。

ぜひ最後までお読みになり、毎日の生活を安心して送る参考にしてみてください!

ひとり暮らしが初めての方が最初に知っておくべきルール・マナー4選

まずは右も左もわからない初めての方に向けて、ひとり暮らしで知っておくべきルール・マナーを4つ解説していきます。

  • 建物や設備は貸主の所有物、ルールやマナーを守って使う
  • 賃貸借契約書に記載された禁止事項を必ず守る
  • 共同生活のルールとマナーを守る
  • 退去時、部屋を「入居時の状態に戻す」というルール

どれも難しいことではなく基本的なことなので、不要なトラブルを避けるためにもぜひ覚えておきましょう。

1.建物や設備は貸主の所有物、ルールやマナーを守って使う

賃貸物件(建物や設備)は、貸主(大家さん・管理会社)の所有物です。

家賃を払っているからといって自由に使っていいわけではないため、ルールや最低限のマナーにしたがう必要があります。

  • 貸主の所有物をお金を払って借りて住んでいる
  • 自分の物ではなくても、自分の物のように大切に扱う義務がある

日々の生活の中でつい忘れがちですが、この2つを意識しておきましょう。

2.賃貸借契約書に記載された禁止事項を必ず守る

物件を契約したら渡される賃貸借契約書には必ず目を通し、禁則事項をしっかり守りましょう。

賃貸借契約書は、部屋や建物での生活のルール・禁止事項・緊急時の連絡先や、災害時の避難場所など大切なことが記載された、いわば物件の取扱説明書です

あらかじめチェックしておけば、万が一トラブルがあっても慌てずにすみ、また、知らないうちに契約違反をしていた、ということも防げます。

ルールや禁止事項はそれぞれの物件で決められていますが、代表的な例を3つ解説していきます。

ペット禁止

ペット禁止の物件では、無断でペットを飼うのは規約違反です。

臭いや傷がついたり、鳴き声などが近隣に迷惑をかけるため、特にアパートなど集合住宅ではペットは禁止となっている物件が主流となっています。

ペットを飼うとどうしても通常より物件がいたんでしまう可能性が高いので、ペットOKとなっている場合は敷金やハウスクリーニング費、家賃を増額しているケースがほとんどです。

また、ついてしまった爪傷や糞尿などの臭いやシミを元の状態に戻すためには、物件全体の消臭・壁や床の張り替えなど大がかりな処置となります。そのためクリーニング費用の相場は10万~数十万円、場合によっては100万円超と高額になりがちです。

無断飼育が発覚すると、この修復費用とさらにペナルティとして違約金を請求される場合がある、と考えておきましょう。

改造禁止 

物件の設備を勝手に撤去したり、逆に設置したりするのも規約違反です。

物件の内装や設備はそのまま使用するのが基本です。

これらを使用や撤去する場合、物件を大きく損傷させる可能性のある改造行為はしないようにしましょう。

のちほど詳しく説明しますが、原状回復義務といって、物件を退去するときには借りる前の状態に戻すというルールがあります。

入居者が故意や不注意で物件を傷つけた場合、修繕費は原則入居者が負担する仕組みです

たとえば壁紙や床板を剝がしたり、大きな穴を開けてしまうと物件の損傷が大きくなり、退去時の修繕費の請求が数十万~100万以上と高額になる場合があります。

押入れの戸を外すなど、元に戻せる範囲であれば追加費用はかからないので、外した備品は捨てたりせず室内で大切に保管するなど、退去時に元に戻せるようにしておきましょう。

エアコンやネット回線など設置工事は、必ず貸主の許可を得ましょう。

又貸し禁止

原則、契約者以外の人が住むことは規約違反です。

自分は別のところに住むことになったからといって、解約せずに貸主の許可なくそのまま友達などに又貸し(転貸=てんたい)すると、家賃を支払っていても規約違反です。

たとえ契約者と同居でも契約者以外の人が住むことは、貸主が許可した場合を除き規約規範となり、違約金が請求される可能性があります。

また、又貸ししてもらう側には、契約していないので責任がないと考えてしまうのか、家賃滞納・物件損壊などトラブルを起こすケースが頻繁にみられます。

許可のない又貸しが発覚したり、又貸ししてもらった側がトラブルを起こせば、すべて契約者の責任になります。

たとえ親しい間柄でも又貸しは絶対にやめて、必ず契約者本人と貸主に許可を得ている同居人のみで居住するようにしてください。

3.共同生活のルールとマナーを守る

アパートやマンションなど共同住宅でのひとり暮らしは、一つの建物を他人と共有して生活するのと同じです。

実質共同生活に近い状態なので、壁の向こうには他人が住んでいることを忘れずに、ルールやマナーを守りましょう。

迷惑行為は近隣トラブルに発展したり、度を過ぎれば注意だけにとどまらず、退去を命じられる場合があります。

ここでは、特にアパートやマンションなどの共同住宅で特に気をつけたい4つを挙げていきます。

生活音(騒音)

近隣トラブルで最も多いのが生活音などの騒音トラブルです。

  • 足音・床の振動音
  • 掃除機・洗濯機・ドライヤーの音
  • テレビ・音楽・ゲームの音
  • 話し声・電話・笑い声
  • ドアの開け閉め、壁にぶつけたり叩く音  

自分の出す音は平気でも、他人の出す音は気になるものです。

ある程度の生活音はお互い様ですが、夜間や長時間続く音には特に気をつけるなど、マナーを守りましょう。

ゴミ 

ゴミ出しもルールを守らないと不衛生で、放置されたままだと臭いや害虫・害鳥などが寄ってきてゴミを荒らし近隣に迷惑をかけてしまいます。

  • ゴミを出す場所、時間などのルールは必ず守る
  • 分別方法を守り、指定ゴミ袋がある場合はそれを使う
  • 害虫・害鳥・不審者対策としてゴミ袋の口をしばる
  • プライバシーがわからないように工夫をする

また、捨てたゴミをあさってプライバシーを覗き見る不審者も増えています。

ゴミの分別や出す時間などは慣れてしまえば自然と身に付きますので、決められたルールを守って出すようにしましょう。

臭い 

強くイヤな臭いは生理的に不快に感じ、体調が悪くなる人もいます。

  • 生ゴミなどの腐敗臭
  • シンナーなど強い薬品臭
  • ペットの強い臭い
  • ベランダや庭でのバーベキュー
  • ベランダタバコ

臭いも音と同じく、自分の出す臭いは平気でも、他人の出す臭いは気になるものです。

食事の用意や、スプレーの臭いなど日常的に迷惑とは感じられず、短時間で消える臭いはよいのですが、強くイヤな臭いが長時間継続すると近隣の方の迷惑になる度合いも大きくなります。

換気扇を回しても外に漏れるので、室内の臭いだけではなく、近隣の洗濯物などに臭いがつかないよう気を付けましょう。

共有部分でのマナー

共有部分とは、玄関や階段・廊下・エレベーター・駐輪・駐車場・集合ポスト(宅配ボックス)など、入居者全員が共同で使う場所のことです。

誰でも使う場所ですので、私物やゴミを置いたり、騒いだりしないようにしましょう。

意外かもしれませんが、自分の部屋のベランダも共有部分となっています。

火災や地震など万が一の災害時には、隣人が仕切りを破って避難する場合があります。

荷物を置き過ぎて避難の妨げにならないように気をつけておきましょう。

4.退去時、部屋を「入居時の状態に戻す」というルール

物件を退去するときには入居の状態に戻すというルールがあります。

これを「原状回復(げんじょうかいふく)」といいますが、元の状態に戻す=修繕するためには、当然費用がかかります。

この原状回復のルールについて知っておけば、生活するうえで気をつけるだけでなく、退去時の費用を抑えることが可能です。

次に原状回復について詳しく解説していきます。

【ひとり暮らしが初めての方向け】原状回復費負担のルール

1.原状回復費の負担の分かれ方

原状回復費は、入居者、貸主それぞれに費用を負担する部分のルールがあります。

項目入居者負担になる例貸主負担になる例
壁・クロス多数のネジ穴や釘穴落書き タバコのヤニ日焼けや電気焼けによる変色
フローリング重い物を落とした傷家具を引きずった跡経年劣化(年数が経つにつれ、自然に劣化していくこと)による色あせや小さな傷
キッチン油汚れを放置して焦げた場合通常使用による汚れ
洗面所・浴室・トイレ掃除不足によるカビ・ぬめり・黄ばみ換気していても自然に発生するカビ
エアコンタバコのヤニや掃除不足による極端な汚れ通常の内部清掃(貸主が設置した場合)
鍵の交換入居者が紛失
次の入居者のための交換
ペット可物件壁の破損、臭い残りなど大きな損傷軽微な傷程度

入居者の負担となるのは、「不注意や、通常より問題がある使い方をした場合が原因の汚れや損傷」です。

物件の傷みが激しいほど原状回復費もかかるので、費用を抑えるには、日ごろから丁寧に部屋を使うことを意識しておくことが大切です。

一方で、生活していて避けられなかったり、自然に起こる汚れや損傷は貸主の負担となります。

「どちらの負担になるか」の線引きがあいまいだとトラブルになってしまうため、国土交通省がガイドラインを定めています。

ガイドラインをチェックしておくと安心!
出典: 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)

2.原状回復費用は居住年数によっても変わる

原状回復には、長く住めば住むほど入居者の費用負担が軽くなっていくというルールもあります。丁寧に使用していても、長く住んでいればその分損傷や汚れが多く生じるからです。

原状回復費用は1年目より2年目、2年目より3年目と年数が経つほど負担が軽くなっていき、6年でゼロになります。

ただし6年以上住んでいれば原状回復費は負担しなくてよい、というわけではなく、入居者の使い方が原因で大きく破損した場合などは居住年数に関わらず修繕費の請求はされます

長く住んでいても丁寧な使用を心がけることが大切です。

【ひとり暮らし初めての方向け】原状回復の注意点・トラブル対処法

入居者の負担となる原状回復費のなかでも特に高額となるのは壁、床、水回り、エアコンや窓などの設備の4つです。

この部分は使い方のマナーを守り、普段から丁寧な使用や清掃を心がけることによって費用を格段に抑えることができます。

対策に使う備品などは100円均一ショップやホームセンターにあるものでOKです!

1.壁や床のトラブル防止と対策法

壁や床の損傷は建物自体に傷をつけることになり、壁紙や下地ボード、フローリングの張り替えなど、修復に多額の費用がかかります。

これを防止するには、以下の対策が必要です。

場所注意点対策
                                                  


釘穴・ねじ穴粘着フック・突っ張り棒など使う100円均一ショップにあるものでOK
画びょう・ピン小さい穴ならOKただし開けすぎに注意
大きな穴意外と穴が開きやすいので物をぶつけたり蹴ったりしない
汚れシミになる前にすぐに拭く
 重い家具の設置
ベッド・タンスなど
家具は引きずらずに移動
下にフェルトやマットなどを敷いて、キズ・へこみ対策
キャスター付きの椅子などマットなどを敷く防音にもなる
汚れシミになる前にすぐに拭く

画びょうやピンなどの目立たない小さな穴は許容範囲ですが、ひとめでわかるような大きな穴や傷の修復費は入居者の負担となります。

大きな穴や傷を防ぐ備品は安価で手に入るので、対策しておきましょう。

2.水回りのトラブル防止と対策法

水を毎日使うため、カビやぬめりが発生しやすく、濡れた箇所を放置するとシミになったり、その部分が腐食してきたりします。

以下、防止するための対策です。

場所注意点対策
キッチン                                         
油汚れ・ぬめり・排水口の詰まり
・コンロの汚れはすぐに拭く
・排水口に油や生ごみ、熱湯は流さない
・排水口に排水ネットをつける
・ 換気扇の掃除も数ヶ月に一度は行う
洗面所

カビ・ぬめり・排水口の詰まり
・排水口にゴミキャッチャーを使う
・パイプ洗浄剤を定期的に使う

お風呂




カビ・ぬめり・排水口の詰まり
・換気扇がある場合は回すなければしばらく窓を開けるなどしてカビ対策

・ヘアキャッチャーなど使用して、排水溝に髪などを詰まらせないようにする
トイレ


便器の汚れ・臭い・排水口の詰まり
・黄ばみや臭い防止にこまめな掃除・トイレットペーパー以外は流さない・「流せる掃除シート」は水溶性のものがよい

水回りは、配水管や排水管が詰まったり破損すると専門業者による緊急な対応が必要です。

破損が大きければパイプの交換など費用も高額になります。

カビやぬめりだけでなく、キッチンの油汚れなども放置すると取れにくくなってしまいます。

思わぬトラブルを防ぐためにも、丁寧に使うことと、こまめな掃除を心がけましょう。

3.設備(窓・エアコン・換気扇など)も丁寧に使う

窓や雨戸、エアコンなど、建物に元々ついている設備も、入居者の不注意などで破損させると修繕費の負担の対象となります。

以下、防止するための対策です。

場所注意点対策
エアコン
換気扇

フィルターの詰まり


室外機のドレンホースの詰まり(詰まると室内の本体から水が漏れる)
・故障の原因になるため、定期的にフィルター掃除(節電対策にもなる)
・室外機のドレンホースが落ち葉やゴミで詰まっていないか定期的にチェック
窓・網戸
雨戸
シャッター
  
        台風などの強風
・台風や風など自然災害で割れた窓や網戸の修繕は通常は貸主負担だが、開けっぱなし等の不注意があると入居者負担になる


・雨戸・シャッターは早めに閉めて被害防止

外に面している部分が多いので、特に台風などのあとは破損していないかチェックしましょう。

室外の設備の損傷は見落としがちですが、破損すると修復費が大きくなります。頻繁に対策する必要はないですが、台風や大雨の予報が出たら早めに対策をしておきましょう。

4.退去後の状態のチェックと立会いについて

立ち会いとは、物件を退去した後に貸主と入居者が一緒に修繕や清掃がどの程度必要なのかチェックすることで、荷物など全部運び出したあと、なるべく早く行われます。

経年劣化の部分は費用を負担する必要はありませんので、負担する部分が貸主との間で食い違わないよう、立ち会いには必ず参加して一緒にチェックしましょう。

立ち会いが終わったら書類にサインをします。

確認した箇所や費用の明細などで不明な点があれば、サインをする前に必ずその場で貸主側によく確認して納得の上サインしてください。

【ひとり暮らしが初めての方向け】退去時の清掃費支払いルール

立会いによるチェックが終わったあと、原状回復のルールに基づいて、修繕・清掃費の金額が計算されます。

本来退去時の清掃費は入居者が支払わなければならない、という明確なルールはないのですが、入居者がある程度負担することが通例となっています。

その支払いに充てられるのが『敷金』『ハウスクリーニング費』です。

1.敷金(しききん)とは、契約時に一時的に預けるお金

敷金とは、万が一家賃滞納した際、その支払いに充てたり、退去時の修繕・清掃費用に充てる目的で、契約時に預けるものです。

預けたお金ですので、支払いに充てられた分は返金されませんが、余った金額は返金され、逆に足りなければ追加請求される場合があります。

敷金は家賃一か月分となっているケースが主流で、家賃が安いとその分敷金も安くなります。ただし、退去時に修繕・清掃箇所が多いと追加請求となる場合があるので、日ごろから丁寧に住むことを意識しておきましょう。 

2.ハウスクリーニング費とは、退去時に清掃費として入居者が支払うもの

ハウスクリーニング費とは、入居するときに、退去する際の清掃費用として定額を支払うという契約をしておくというものです。

この契約は特約(その物件の賃貸契約だけのルール)となり、先払いの敷金より契約時の金銭的負担が少なくなるのがメリットです。

素人では落としにくい汚れ・場所などの清掃をプロに依頼する目的の固定費(退去時にかかる修繕・清掃費の標準的な金額があらかじめ決められている)となるため基本的に返金はされません。

3.敷金とハウスクリーニング代の違い

その物件の契約が敷金かハウスクリーニング費かはあらかじめ決まっています。入居者はどちらかにするかは選択できないので、以下の表でふたつの相違点を確認しておきましょう。

項目敷金クリーニング費
支払時期入居時(契約時)退去時(金額は契約時に決定)
目的落としにくい汚れや場所の清掃家賃滞納した場合の支払いに充てる退去時の修繕・清掃費用
返金の可能性あり基本的になし
金額の性質預り金(入居者のお金を退去まで預かる形式)実費・固定費
費用相場部屋の広さ、間取りで変わる
おおむね2~8万円前後
地域、物件の状態などで変わる
おおむね家賃の1~3か月分

賃貸借契約書で敷金かハウスクリーニング費か確認しておくと、退去費用のメドが立てやすくなります。

 まとめ

今回は、ひとり暮らしが初めての方に向けて、賃貸のルールとマナーについて解説しました。

ポイントは以下の通りです。

  • 賃貸物件は大家さんの所有物
    → 自分の物のように大切に使う契約書の禁止事項(ペット・改造・又貸しなど)は必ず守る
  • ひとり暮らしでも共同住宅
    → 騒音・ゴミ・臭い・共用部マナーに注意退去時は「原状回復(元の状態に戻す)」の義務がある
  • 原状回復費は使い方次第で高くなることも
  • 壁・床・水回り・設備の使い方に特に注意敷金は預け金、クリーニング費は定額の清掃費(返金なしが基本)
  • トラブルを防ぐには、日頃の丁寧な使い方とルールの確認が大切

生活の場なので過剰に神経質になる必要はありません。

ですが、ほんの少しルールやマナーを守る意識をしておけば、不要なトラブルを避け、退去時の費用を抑えることができます。

とはいえ、住んでいる以上予想外のことも起こります。

私自身も貸主(大家)ですが、貸主側も色んな事があるだろうな、と承知しています。

もし何かあったら正直に隠さず連絡すれば、状況にもよりますが、おおごとにならずに済むケースがほとんどです。

ぜひこの記事を参考にして、 安心して快適なひとり暮らしライフを送ってください!

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